1 名前:もろきみφ ★投稿日:2012/04/14(土) 00:45:49.74 ID:???
ソニー、過去最大赤字の「衝撃」:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20120412/230906/
<<本文抜粋>>
ソニーが国内外で従業員1万人を削減する計画を発表したのだそうだ。
1万人という人数は、全世界に散らばるソニーの従業員の約6%に相当する。
思い切ったリストラ策と言わねばならない。続報によれば、この人員削減にあわせて、経営陣は、会長をはじめとするすべての執行役員の賞与を返上する意向だという。
決算について、日本経済新聞は次のような見出しを打っている。
『ソニー、「想定外」の連鎖 赤字最大の5200億円』
私は損益計算書やバランスシートを読める人間ではない。それでも、さすがにこの5200億という数字が容易ならざる金額であることぐらいは理解できる。
どうやら、ソニーは大変な局面に立っている。
今回は、ソニーの話をする。
といっても、私のような者が経営に口をはさんだところで仕方がない。だから、ここでは、ソニーにまつわる個人的な記憶を書き並べようと思っている。
記憶は、必ずしも実態とイコールなものではない。
が、われわれの記憶は、ソニーというブランドの基礎を形成している。その意味で、非常に根源的なものだ。
ソニーのロゴマークは、単なるひとつの家電メーカーの枠組みを超えた文化的な発信力を備えている。
ソニーがソニーであり、ソニーの製品が先進的で、高性能で、スタイリッシュであったことは、そのままわれわれ日本人がセンシティブで、賢く、勤勉であることを裏書きしていた。つまり、ソニーは、長らく、日本という国の優秀な側面を象徴する企業だったわけで、その意味では、われわれのプライドの核心を形成するブランドなのである。
ソニーについては、今回の報道に限らず、2003年の「ソニーショック」を初めとして、今世紀に入って以来、暗いニュースばかりが続いている。
ファンとしてとてもさびしい。
いま、「ファン」という言い方をしたが、私の世代の男は、自分で自覚していなくても多かれ少なかれソニーのファンだ。おそらく、ソニーの名前ややり方を嫌っている組の人々でさえ、ソニーというブランドの価値を否定することはできなかったはずだ。
だから、ソニーの調子が悪いというニュースは、われわれ世代の男性の士気を損ねる。もう少し踏み込んだ言い方をするなら、ソニーの衰退は、わたくしどもの世代の日本人男子の愛国心をかなり致命的な次元で傷つけている。このことは、誰もあえて指摘していないが、とても深刻な出来事なのだ。
国民の間に健全な愛国心を涵養するために、卒業式で君が代を歌わせたり、日の丸の前で起立する習慣を定着させることは、おそらく無意味な努力ではない。同様にして、愛国心教育に相当するカリキュラムを組んで、子供たちに愛国心の何たるかを教え、その必要性を説くことにも、一定の効果を発揮するはずだ。
でも、本当のところ、一般の国民が愛国心を抱くのは、誰かにそれを持つべきであることを教えられたからではない。
われわれの愛国心は、自国の自然、文化あるいは生産物に対して尊崇の念を抱くという、至極まっとうな道筋を通じて獲得されるものだ。ということは、身の回りの自然を守り、優秀な製品を生産するべく努めていれば、愛国心は誰が強要するまでもなく、ごく自然に、国民一人一人の精神のうちに醸成されていくはずのものなのである。
私のケースで言えば、ソニーは、いつでも私の愛国心を支える重要な柱だった。
いまでもよく覚えているのは、1990年代の初め頃、ウェストハリウッドでソニーのムービーカムを回していると、現地のオタクがわらわらと寄ってきたことだ。
「なんだこれは。お前の持っているこの小さいマシンは何なんだ?」
「カメラか?」
「おお、ムービーなのか」
「この画面は何だ?」
「ここに何が映るんだ?」
私の英語力では、正確な説明はできなかった。それに、大柄な彼らに囲まれる経験は、多少恐ろしくもあった。
が、総体として、それは、誇らしい経験だった。
「これはソニーだよ」
「おお、ソニーか」
「何ドルだ? トーキョーで買ったのか?」
「こっちではいつ発売になるんだ?」
領土や軍隊が愛国心を鼓舞していたのは19世紀までのことだ。20世紀以降の愛国心は、ブランドが作っている。私はこのことを声を大にして言いたい。
ブランドの衰退は、だから、愛国心の危機なのである。
(中略)
この先どこか外国に行く機会があるのだとして、私はそういう時にサムスンのムービーカムを持ってこうとは思っていない。
多少高価でも、機能的に見劣りがしても、私はソニーの製品を買うはずだ。外人の若いオタクが集まって来なくてもがまんする。
同年輩の年寄りが寄ってきて、
「おお、これはなつかしい。ソニーじゃないか」
と言ってくれたら、それで満足する所存だ。
ファンとは、なんといじらしい生き物ではないか。
あるいは、私は、ファンというよりは、信者に近いのかもしれない。
ウォークマンが発売された1979年の夏、仲の良かったKという男が、あの貴重な初号機をいち早く購入し、その日のうちに私の家にやってきた。彼は布教をしに来たのだ。
アップルの一連の製品もそうだったが、あの時代のソニーのギミックは、伝道者を作り出す力を備えていた。
「とにかく聴いてみろよ」と言って彼が持ってきたウォークマンの音を聴いた時から、大げさに言えば、私はソニーの信者になったのだ。
以来、30年ほど、色々と紆余曲折はあるが、私の心には、あの時の感動がいつも残っている。だから、ソニーのブランドに対しては、アップルにおけるジョブズへの個人的な崇拝とは少し毛色の違う、製品への忠誠心を抱いている次第なのだ。
ソニーが昔と同じ輝きを取り戻すのかどうかは、わからない。
個人的にはむずかしいと思っている。
仮に、ソニーが業績を回復することになるのだとしても、その業態は、前世紀の姿とはずいぶん違ったものになっているはずだ。
というのも、イノベーティブな企業は、その精神を目に見えるカタチで体現していた創業者の死を契機として、新しい段階に移行せねばならないはずだからだ。
「モリタさんならどうするだろう」(あるいは「ホンダの親父さんならどうするだろう」「ジョブズならどうするだろう」でも良いが)という問いが、とうの昔に全社員にとっての自明の前提でなくなっている以上、ソニーは新しい問いを発明しなければならない。そういうところに来ている。
(中略)
がんばってください。応援しています。
4 名前:名前をあたえないでください投稿日:2012/04/14(土) 00:47:16.19 ID:l5tPA8k+
日経はもうつぶれたほうがいいんじゃないか?w
わりとマジで
5 名前:名前をあたえないでください投稿日:2012/04/14(土) 00:48:59.93 ID:JetbOv3m
ドルビーサラウンドを初めて聴いたときのの感動を今のWmからは感じない。
6 名前:もろきみφ ★投稿日:2012/04/14(土) 00:50:17.33 ID:???
いい文章。思わずニヤッとした。そうそう。愛国心というのはそういうものだ。
7 名前:名前をあたえないでください投稿日:2012/04/14(土) 00:51:07.24 ID:OYAag15v
最近のソニーはアップルとかの真似ばかりじゃねーか
8 名前:名前をあたえないでください投稿日:2012/04/14(土) 00:51:53.65 ID:0+YN+vZX
パナソニックシャープだって同じだと思うがな
14 名前:名前をあたえないでください投稿日:2012/04/14(土) 00:56:42.77 ID:Jsnj95VL
>>8
俺たちのソニーは特別なんだ!!
15 名前:もろきみφ ★投稿日:2012/04/14(土) 00:56:57.41 ID:???
>>8
いやいや、「文化をクリエイトした」って意味で、ウォークマンを作ったソニーに匹敵する企業は日本にはないよ。
しいて言うなら、今のアップルがまさにかつてのソニーだな。でも、ジョブズが死んだから今後どうなるかはわからんけどね。
13 名前:名前をあたえないでください投稿日:2012/04/14(土) 00:56:29.36 ID:BbFyqoQ/
もう無理だろ。
もうソニーはソニーではない。
25 名前:名前をあたえないでください投稿日:2012/04/14(土) 01:11:36.53 ID:Fj9v+XbF
技術のソニーではなくなった時点で、終わっているのでは?
今のソニーはソニーという名前の別会社と思っている。
66 名前:名前をあたえないでください投稿日:2012/04/14(土) 02:46:29.15 ID:JN00mNz8
SONYって自分とこの独自規格ばかり採用するから嫌い
84 名前:名前をあたえないでください投稿日:2012/04/14(土) 09:27:56.17 ID:eW6tiAO8
創業者の井深、盛田が、いまのソニーを見たらどう思うか。悔しいに違いない。
ソニーの名にあぐらをかいて、研究開発を怠ったツケとまではいわないが、油断、慢心、惰性の空気に慣らされ、創業者精神がいつのまにか薄らいだ面は大いにあるだろう。もともと後発のソニーは人のいい面があった。そこを狙われ、利用された面もなきにしもあらず。サムソンに吸収され、その一部門に成り下がる可能性も予想出来る。グローバル化を鵜呑みにし過ぎた罰だ。
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